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ブルーリッジ株式会社 代表取締役
池田 順子
創業前、私は広告会社に勤務していました。そこで医療系学会の運営に携わる機会があり、はじめて医療分野で働く先生方とふれあいました。先生方とふれあうなかで知ったのは、医療にはさまざまな専門分野があること、医療従事者が非常な激務の中で学会活動はボランティアで行っていらっしゃることでした。私は、医療の奥深さに興味を持つとともに、どうにか先生方が研究・臨床活動に集中しやすい環境が作れないか、と考えるようになりました。
「学会」は、医療従事者にとって研究発表の場であり、最新の知見を学ぶ教育の場でもあります。専門家が集結しお互いに得た経験・技術が共有されれば、医療/科学の発展だけではなく人々が健康を維持したり、良質な治療を受けられたりしやすくなるのです。それにも関わらず、学会活動に携わる先生のなかには、学会の事務作業に追われ、日々の研究・臨床活動に集中できない方も少なくありません。
そこで私は学会運営のプロとして、学会活動をサポートすることで先生方が研究・臨床活動に集中しやすい環境を作りたいと考えています。第一線で活躍する人を支えることが、私たちみんなのより良い未来を創ることにつながる。そう考えて「支えるを展(ひろ)げ、未来を創る」を理念に掲げ、ブルーリッジを創業しました。
学会運営の仕事は、大きく分けると2つあります。
1つは、運営事務局の仕事です。これはおおよそ年1回の頻度で開催される学術集会に向けて、主催者の先生と複数回の会議を持ちながら、イベントの企画や当日の会場運営を行います。大きなものだと数千人規模の学術集会もあり、開催までのマイルストーンをたて、収支予算を編成し資金繰りをしたり学会の枠組みを作ったり、まるでひとつの会社を経営するような役割を担当します。
もう1つは、常設事務局の仕事です。こちらは、いろいろな学術団体の事務を引き受け、会員データや会費の管理、理事会や各種委員会の会議進行などを行っています。一般企業で言えば、「総務」のようなイメージです。
弊社では、どちらの仕事もメイン担当とアシスタント担当を設定しています。未経験入社の方であっても、入社後は、まず請求書を発行・郵送したり、会員情報をデータベースに入力したりするなどの事務作業からはじめ学会事務局業務に慣れていただきながらキャリアを積んでいきやがて学会の企画や運営全般に携わっていく。そうした形ならばキャリアアップしていきやすいと思い、業務を調整しています。
会社としても心がけおり、社員によく言っているのは、「先」を見ることです。
「先」とは未来を表す「先」のことと、先方、相手先を意味する「先」と2つの意味があります。
学術集会の開催では、数年単位の準備が必要になるため数ヶ月後から逆算して業務を進めていく必要があります。例えば、学会の協賛企業からお問い合わせメールがあったら、その企業だけに回答するのではなく、すべての協賛企業に同じ回答をお送りするといった対応が求められます。公平性を保つために場当たり的な対応はNGなんです。
また、学会の先生方とふれあう時も「先」を見ることが大切です。お話や質問を通して、先生の立場になって考えることなどが、学会運営では大事なのです。
ただ、どんなに先を考えて準備しても、当日になると必ずトラブルがあります。そのような場合に、私たちは主催者の先生方と一緒にその場で対応を考えます。参加者の方に心配をおかけしないよう、気づかれないように埋め合わせを行います。努力や工夫が実り、主催者の先生から「今回ドタバタしたけれどうまくいって良かった」「いい運営だったよ」と言ってもらえるのが、一番嬉しいです。
ここ数年、学会の事務代行は需要が高まっています。
特にコロナ渦では、「学術集会」という年1回の教育機会を中止や延期にはできないため、対面開催でなくとも学術集会開催ができるようにとウェブ開催の学会が広まりました。弊社でも急遽システムを立ち上げ、先生方のニーズに応えられるようにウェブ学会やハイブリッド型の学会を運用するようになりました。結果として、子育て中や遠方にお住まいの先生方も参加しやすかったようで、いろいろな学会からお引き合いをいただくようになりました。
またウェブを活用したことで、国際学会も開催のハードルが下がりました。ウェブセミナーのような形式で行えるため、小規模でも国際学会を開催したいというニーズも増えています。
今後も、既存のシステムを工夫してもっと学会を盛り上げたり、国際学会の運営をしたり、先生方の思いに応えていきたいです。
「学会事務局の仕事」と聞いて、専門的ですごく難しいと捉えられる方が多いです。もちろん、将来的には学会運営のメイン担当として、運営全体を担うことになっていきますが、はじめはデータを入力したり書類を発行・送付したりするといった事務作業がほとんどです。
専門的なスキルよりも、仕事に誠実に取り組めたり先生方とのふれあいを楽しめたりすることのほうが大切です。事務に必要なパソコン操作は徐々に覚えていけばいいだけであり、むしろ先生の思いや考えがくみ取れなければ学会運営がうまくできません。
「時間をかけてでもきっちりやりたい」「人に頼られると頑張れる」という人は、きっとこの仕事に向いているでしょう。
ブルーリッジ株式会社 (コンベンション事業部 部長)|2020年入社
牧野 幸美
好きな英語をいかしシンガポールで4年間働いた後に、新たな場所で自分のスキルを活かしたいと考え、2020年にブルーリッジへ入社しました。
いまは、医学系学会の事務局を担当する傍ら、英文の学会誌の編集事務局を担当しています。
また学術集会の運営事務局として、企画から当日の運営までを統括する業務をおこなっています。例えば、最初に先生とのヒアリングを通して会議のコンセプトを把握し、会場や開催形式のご提案、御見積書の作成、協賛募集活動、広報、スケジュール管理、依頼状の送付、抄録集の作成、交通・宿泊・エクスカーションの手配などです。そして当日は、会場の設営、運営スタッフの管理やオリエンテーション、各セクションへの指示出しといったように、学術集会の成功に向けてこれまで準備したものを一気に集約していきます。
国際担当でもありますので、海外の先生方とのやり取りもしています。
幅広い仕事を経験できることが、この仕事の醍醐味かもしれません。
この仕事は、医療現場で働く先生方との関わりが多くあります。先生ごとにご意向は違いますし、文化や専門分野などが異なれば、学会の雰囲気もずいぶん変わってきます。
コミュニケーションを通して、先生方と信頼関係を築いていけるところがとても楽しく感じています。
学術大会の開催は、モノづくりに似ているように思います。学会の成功に向けて長い時間をかけいろいろな準備を進めていきます。また先生や秘書・事務の方と打ち合わせをくり返し、内容を詰めていくこともあります。そうしてそれぞれのパーツを組み合わせ、みんなでひとつのものを創り上げていくプロセスがとても楽しいですね。
また、たくさんの人が関わる学会運営の仕事では、スピーディな対応が求められることも多いですが、どんな時でも丁寧な対応ができるよう心掛けています。
自分たちがサポートすることで滞りなく学術集会が進み、先生方に喜んでもらえることが仕事のやりがいにもつながっています。
弊社には、国内はもちろん、国際学会のご依頼も増えています。
昔から英語が好きで、英語を仕事に活かしたいと思っていましたので、好きなことを活かしながら、日本と海外の先生が知識を共有するお手伝いができることを幸せに感じています。
学会運営のキャリアが長いので、後進の育成にも力を入れています。社長をはじめ社員は温かい人柄の方ばかりです。若手の方にスキルを伝え、学会運営で活躍してもらえるようにと思っています。
ブルーリッジ株式会社|2020年入社
神田 翠
大学生の頃から事務の仕事をいくつかおこなっていて、その際に池田代表と知り合いました。それで担当していた仕事のひとつがいまの会社に委託されることになり、「これもご縁かな」と思って入社を決めました。
オフィスワークとしては、学会役員や会員の方から届く問い合わせメールの対応が多いです。事務局の仕事全部を受け持つ学会事務局では、理事会などの行事の準備や会員データベース・会費管理などもおこなっています。例えば、「留学するので休会したい」方がいれば、手続きの案内やデータベースを更新するといった感じです。また学術集会の開催に向けて、協賛企業に案内状や請求書を送付するといった業務もしています。
学術集会当日は、会場設営から参加者の対応、講演する先生方のフォローなど様々なことをおこないます。学術集会の運営にはこれまでアシスタントとして関わっていましたが、入社して3年が経ちメインで任されるようになりましたので、全体の管理・運営がスムーズにできるようにもっと頑張っていきたいと思います。
学術集会は、入念な準備が必要で、やることも多いため大変です。また、どんなに準備をしていても、予期せぬ事態はつきものです。しかし、トラブルをみんなで協力して乗り越えられた時には、とても達成感があります。この前も、予定と異なる大きさのステージ看板が届くということがありましたが、みんなでアイデアを出し、あたかも初めからそこに合わせて作成したかのように会場内の壁に掲示できた時には「やったな!」と思いました。そういう準備や工夫をした学術集会が終わり、主催者や参加者の先生方が「開催できてよかった」「来てよかった」という晴れやかな顔をされていると、とても嬉しく感じます。
いまは任された仕事で手いっぱいのため、自分の力で対応できていないことも多くあります。今後は、学術集会主催者や学会会員の先生方に安心して仕事を任せていただけるように、もっと知識をつけたりノウハウを培ったりしていきたいと思っています。
入社して3年が経ち、まだまだ勉強することばかりですが、学会事務の仕事は、周囲と協力しあいながら、自分からチャレンジしていけば結果が自然とついてくるとわかりました。まわりの人に相談しつつ、先生方の期待やご要望に応えられるように努力していきます。
ブルーリッジ株式会社|2021年入社
望月 環
私は、もともと旅行会社で働いていました。コロナ禍がきっかけで旅行のニーズが減りましたので、別の業界で働いてみたいと思いました。以前から医療分野に興味があり、前職で培った事務の経験も活かせると考え入社を決めました。
普段の仕事は、学術集会に向けた事務作業が中心です。主催者の先生方とお話をしたり、共催企業から協賛金を募ったりするなど、開催に向けた手配をしています。学術集会は、規模にもよりますが、数百から数千人の参加者がいるので、申し込みやお問い合わせ対応なども日々おこなっています。
学術集会当日は、自分がメインで担当していれば運営全体を管理しています。例えば、「音響を変えてほしい」といった先生の要望を現場に反映することや、何かトラブルがあった時に対策を考え対応するのも重要な役割です。
また学術集会のほかにも、学会では理事会や総会といった集まりを定期的におこなうので、そのための準備なども担当しています。
学術集会の開催には、広報用のホームページを立ち上げるところから、当日の準備・運営・後片付けまですべてに関わります。だからこそ、終わった瞬間には「無事終えられた」という達成感があります。主催者の先生から「よくやってくれました」の一言を頂いたときは本当にうれしいです。
それと私の場合は、学術集会がきっかけで日本各地に行ける楽しさもあります。
地方での学術集会開催時には各地の特色ある観光地でのイベントを計画したり、地元のお料理などを使用したお弁当やお料理の献立を考えたりもします。さまざまな場所に行っていろいろな体験ができるのもこの仕事の魅力だと思っています。
異業種から転職して2年、この仕事について知っているようで知らないことがまだまだ多いです。学術大会の開催は長期スパンの仕事であり、やることも多岐にわたります。いまは上司や先輩に確認しつつ、一つひとつ組み立てて仕事を進めている状況です。これからもっと経験を積んでスキルを上げ、様々な声に応えられるよう的確に仕事をしていきたいと思います。