世話人紹介GREETING2022年2月22日更新

楠本 昌彦

第36回胸部放射線研究会 当番世話人
国立がん研究センター中央病院副院長 放射線診断科
楠本 昌彦

第36回胸部放射線研究会の当番世話人を務めさせていただくことになりました国立がん研究センター中央病院の楠本昌彦です。この胸部放射線研究会は、私の恩師故河野通雄先生が、1987年に設立された日本医学放射線学会傘下の研究会です。第1回の研究会は、岡山市で開催された日本医学放射線学会秋季臨床大会の中で併催されました。私が放射線科医になって2年目の年で、このような歴史と伝統ある研究会の当番世話人を担当させていただくことを大変光栄に思っております。

今年の第58回日本医学放射線学会秋季臨床大会は日本医科大学・汲田伸一郎大会長のもと、2022年9月2日(金)~4日(日)に東京ドームホテルにおいて開催が予定されています。胸部放射線研究会は、9月3日土曜日に開催が予定されます。河野通雄記念講演は、大阪大学放射線統合医学講座の梁川雅弘先生、佐賀大学放射線医学教室の江頭玲子先生のお二人にお願いしております。

研究会の演題は、例年の同様に病理学的に診断の確定された症例を中心に広く応募を募りますが、それらに加えて要望演題として、診断に難渋した薬剤性肺障害が強く疑われる症例、非典型的な画像所見を示した胸部腫瘍を挙げています。今世紀に入って、これまで以上に薬剤性肺障害が注目されるようになり、画像診断の領域でも知見が集積されるようになりました。しかし、診断確定が得られないため、診断に難渋する症例もあり、これらを画像診断の立場から掘り下げることができれば、価値あるものになると思っています。胸部腫瘍は恩師河野先生が終生取り組まれた領域で、改めて画像と病理の対比を通して、時代を越えた知見を共有したく思っております。病理コメンテーターとして、国立がん研究センター中央病院病理診断科科長の谷田部恭先生と国立病院機構東京病院臨床検査科科長の木谷匡志先生にお願いしてございます。

最後になりましたが、3年ぶりに全国の胸部放射線診断に取り組む先生方が一同に参集して討論できることを願っております。河野先生が生前よく口にされていた「一例一例を大切にする」という気持ちをもって、お互いの顔を見ながら、熱気ある、また実りのある胸部放射線研究会にしていただき、日本の胸部画像診断のレベルをあげていただければ幸いです。